橘ヒナタの業務日誌その6 【新装備について】 前回の戦闘から数日後、以前から兄さんに頼んでいた新装備が完成した。 兄さんはこの装備を使うことを嫌がっていた。 確かにこの装備は使用者に多大な負担がかかる。 だけど、前回のような思いをするのはもうたくさんだ。 私に出来ることがあるのなら全力を尽くそう。 …とはいえ、兄さんが心配していたことだし、必要以上には使わないようにしよう。 【謎の声について】 ここしばらく聞こえていなかった謎の声が久しぶりに聞こえた。 彼女は私に海の中に来て欲しいと言っていた。 もしかして、彼女は海の中のどこかにいるの? 【今回の任務について】 今回の任務は最近海を荒らしている怪獣ガッズィーラの退治だ。 その怪獣は海底採掘シャフトに住み着いているらしい。 もしや、彼女の言っていた“海の中”とは、その海底採掘シャフトのことでは? もしそうなのだとしたら、なんとしてでも彼女を探さないと。 【第二研究所について@】 海底採掘シャフトにて見つけた第二研究所、そこはスターゲイザーの研究所だったという。 …彼女が言っていた場所は、ここだ。 私の直感がそう言っている。 私は何としてでも第二研究所へ向かうよう主張した。 音戸さんは私の主張に反対した。 私の直感などと言う不確かなもので部隊を危険にさらせないと。 彼女の言うことも最もだ。 ガッズィーラが暴れ、この海底採掘シャフトはいつ崩壊するかも分からない状況だ。 明らかに今回の任務とは関係のない第二研究所の調査などに時間を費やす余裕などないだろう。 …それでも、彼女がその第二研究所にいる可能性がわずかにでもあるのなら、私はそこにいかなくては。 彼女がもし危険な状況にいるのであれば、それを助けることが出来るのはきっと私だけだと思うから。 【第二研究所についてA】 私たちは第二研究所に到着した。 そこには驚くべき事実が隠されていた。 私は宇宙で漂っているところを発見され、保護された二人のスターゲイザーの子供の片割れなのだという。 どういうこと? 私は本物のスターゲイザーだったの? だったら、私に施された強化人間としての処置は何のためだったの? そして、兄さんは、兄さんは私の本当の兄さんではなかったの? 幼いころの家族といた記憶、ヴォルフ共和国にさらわれて強化人間の実験を受け続けた記憶、 ディスティニーとして色々な酷いことをさせられた記憶、 そして龍王島にて兄さんや島の人たちと暮らした記憶、 私が持つ記憶は一体どれが本当なの? …私は、一体何者なの?